2012年9月10日月曜日

小売業の雇用の未来?【ブログ】


こんにちは、名古屋のキャリアコンサルタント金子です。

今日は、「イトーヨーカ堂の社員半数削減」の記事について。

報道されているニュース

社員数は半減、パート社員に置き換え

イトーヨーカ堂は正社員8600人の内、約半数の4000人を削減するようです。
その分パート社員の比率を75%前後から90%に引き上げるとのこと。
それによりパート社員は従来より2000人多い40000人となるものの、
人件費は7%抑えることができるようです。

非常に興味深い記事です。

従来の正社員の仕事と位置づけていた仕事は、
正社員でなくても任せられる仕事なので、
パート社員に切り替えますと言っている訳です。

つまり、その仕事しか出来ない人材は、
うちには正社員としてはいらないのだと。

これは小売業に限らずの話ですが、
年々仕事の高度化が求められている中で、
成長できない人材は削減の対象にしていくという
ことを示しています。

前職では、降格、昇格は当たり前の環境ではあったので、
ある種当然の判断かなと個人的には思います。
(降格しても再度上がるチャンスもある会社でした。)


削減対象社員を活用する


これが一番グループシナジーを発揮している施策だと思いました。

報道の詳細が異なる部分があるので、
確定情報ではありませんが、
削減対象社員はリストラは行わず、
セブンイレブンやそごう等のグループ百貨店へ異動させるそうです。

そのうち、セブンイレブンのフランチャイズ加盟店の店長に異動
させるという言葉が多数の記事で掲載されていました。

リストラは行わず、社内異動と言われいているので、
聞こえは良いですが、
今回のFC加盟店の店長への異動というのは、
オーナーへの転職をさせることを促しています。

言い換えれば、
リストラだけど、グループ内での働き方のを提供しますとも言えます。



セブンイレブンは、今期1350店の出店を掲げています。
実際、私の元同僚も多数新規出店部隊
いわゆる店舗開発の人員として異動しています。
店舗開発の人員だけで、数百人いると思いますので、
小売業最大数ではないかと思います。

また、タイミング良くというか、狙ってだと思いますが、
四国出店も発表されました。

多数店舗を出すということは、
FC展開の宿命である、その分オーナーを増やすということを意味します。
しかし、このオーナーの担い手が不足しているというのも事実で、
現状ではオーナーの複数出店、企業オーナーの推進を行なっています。

しかし、それでも不足ということで、次の一手が、
今回のオーナー職への異動だと考えます。

総論賛成、各論反対。明日は我が身。


グループ内での人材活用、新たな雇用創出という点で考えれば、
成功すれば、他大手も追随する可能性がある新しい取組みと考えます。

一方、当事者としては、
気が気でない話でしょう。
自分の雇用はどうなるのか?
転籍なので、給料がダウンする場合もあるでしょう。
下げたくなければより稼げる可能性がある
オーナーをやりませんか?という話になりかねません。

ただ、パート社員の方にとってはチャンスです。

そして、同グループ社員からすれば、
明日は我が身と捉えているのではないでしょうか?
仮に選択と集中の一環で、
コンビニ事業に集約するという話になれば、
今回のような異動がないとも言い切れません。

最近、僕が以前から言っている
「大手だから、正社員だから安心と言っている時代ではない」
ということを言われる方も増えてきましたが、
まさにその通りだなという記事でした。

キャリアコンサルタント 金子 玄






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